当クリニックの院長は県下有数の日本老年精神医学会認定の専門医、いわゆる認知症のエキスパートです。
日本神経心理学会や日本高次脳機能学会の全国評議委員を務めており、この分野の研究を15年間従事してきたので、認知症検査に造詣が深い神経学的診察と心理テストを行うだけでかなり正確に認知症のタイプを診断いたします。診断の補助検査として、血液検査や頭部CTを行うこともあります。
認知症は進行を抑える上で早期発見が重要です。また、治療可能な認知症をいかに発見するかも重要です抗痴呆薬として漢方薬も積極的に処方しています。
認知症を疑う「あれ?おかしいな」の代表例
認知症はある日突然発症する病気ではありません。前触れとして、小さな異常サインを必ず出しています。診断は素人では無理ですが、ここに挙げた断片的なサインのうち、いくつか思い当たるものがあれば、認知症の前触れかもしれません。
言動の「あれ?」
① 家族の名前を間違える
② 昔から知っているモノや人の名前が出てこない。
③ 雑談ができなくなってくる。
④ 脈略のないことを突然言い出す。
⑤ 同じことを何度も言う、または何度も聞く。
⑥ 亡くなった人が生きているような話をする。
行動の「あれ?」
① 約束をよく忘れるようになる。
② みだしなみに構わなくなる。
③ 料理の時間がかかるようになる。
④ 同じものを何個も買ってくる。
⑤ 慣れた道でも迷うことがある。
⑥ 趣味に情熱を傾けなくなる。
⑦ 車の運転が下手になる。
病院に行く前にご家族に知っておいてほしいこと
1. 認知症は治療できる病気なの?
一部の認知症は、早期に発見すれば、治療によって改善が十分可能です。アルツハイマー型認知症については、残念ながら、まだ完治への道は開けていませんが、症状の進行を遅らせる、あるいは軽減する効果のある薬が数種類存在しています。
2. 受診時はどんな話をすればいいの?
医師が認知症の症状の把握や診断にあたって最も重要視するのが、実際にその患者さんを間近でみている介護者の情報です。患者さんご本人は時に取り繕って良いことしか話さない可能性もあるからです。病院に行く際は、次のことを大まかに整理し、いつでも医師に情報提供できる準備をしておくとよいでしょう。
ご本人の情報 |
職歴、婚姻歴、生活情報、家族構成など |
ご本人の病歴 |
これまでかかった病気、現在治療中の病気、飲んでいる薬など |
主な症状 |
いつ頃、どんな症状が、どんな頻度で出ているか。困っていることは何かなど |
介護者情報 |
介護認定の有無、主な介護者、行政サービスなどを受けているかなど |
3. どんな検査を受けるの?
おおむね以下のような流れで認知症診断が行われます。
① ヒアリング(問診)
本人およびご家族からの病歴聴取
② 身体的・神経学的検査
運動麻痺、手足のしびれ、言語障害の有無、記憶障害など
③ 神経心理検査
記憶力、計算力、図形描写力などのテストで、記憶や認知機能を調べる
④ 血液検査
疾病の有無、現在の健康状態などを調べる
⑤ 画像検査
CTやMRIなどで脳の血腫や膿腫、梗塞、出血、萎縮などを調べる
⑥ 診断